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ベトナムコーヒーは苦い?現地農園で味・品種・背景を体験して見えてきたこと

AboutCoffee

こんにちは!

旅するバリスタのTomokoです。

私はこれまで、タイ・台湾・ベトナムと、いくつかのコーヒー生産地を訪れてきました。どの土地でも感じるのは、コーヒーは「味」だけで語りきれない飲み物だということです。

この記事では、12月に訪れたベトナムのコーヒー農園で見た生産の現場や、生産者たちの考え方を通して、ベトナムコーヒーがどのように作られ、どんな背景を持っているのかをお伝えします。

あわせて、その体験をもとに開催するベトナムコーヒーの試飲イベントについてもご紹介します。

ベトナムコーヒー=苦い、は本当?

「ベトナムコーヒー」と聞くと、苦い・濃い・練乳入りで甘いーそんなイメージが強いかもしれません。
私自身も、以前はベトナムコーヒーに対して同じような印象を持っていました。しかし、実際にベトナムのコーヒー農園を訪れ、生産の現場を見て話を聞く中で、そのイメージが必ずしも味そのものを表しているわけではないと感じるようになりました。

ベトナムコーヒーには産地があり、品種があり、焙煎や淹れ方、飲まれてきた背景があります。
ここからは、なぜベトナムコーヒーが「苦い」と言われてきたのか、その理由を味の特徴とともに見ていきます。

なぜベトナムコーヒーは苦いと言われるのか?味の特徴と品種

ベトナムコーヒーが苦いと言われる理由は単に味の好みの問題ではありません。そこには、品種や焙煎、飲まれ方というはっきりとした背景があります。

そもそも、ベトナムで栽培されているコーヒーの多くがロブスタ種になります。ロブスタ種はアラビカ種に比べると苦味やコクを感じやすく、カフェインも多いです。この特徴が「ベトナムコーヒー=苦い」という印象につながってきました。

次に焙煎の傾向ですが、ベトナムでは深煎りにすることでコーヒーにしっかりとしたコクと苦みを出し、練乳と合わせて飲む文化が根付いています。この飲み方を前提とした焙煎が、日本で飲まれるベトナムコーヒーにも影響してきたのだと思います。

さらに、ベトナムでは「カフェ・フィン」と呼ばれる金属フィルターを使った抽出方法があります。時間をかけてゆっくり抽出する方法のため、成分が濃く出やすく、結果として苦味が強調されやすくなります。


ただ、ここで誤解してほしくないのは、苦味=悪い味ではないということ。
ロブスタ種の苦味はナッツやカカオのような香ばしさや重厚感のある味として楽しまれてきました。

実際にエスプレッソ文化のあるイタリアでも、ロブスタ種が配合されたブレンド豆を使用しているお店が多いほど、その苦味や重厚感のあるエスプレッソが好まれています。

こうした理由を知った上で実際に農園を訪れると、「苦い」と思っていたベトナムコーヒーが全く違って見えてきました。次は、現地で見た生産地のリアルについてお話しします。

 

ベトナムコーヒー農園を訪れてわかった生産地のリアル

今回の訪問先はベトナム中部の高原地帯・ダラット郊外のランビアン山にある農園。実際にコーヒー農園を訪れて、一番印象に残ったのは想像していた景色との違いでした。


ベトナムはブラジルに次ぐ、世界第2位のコーヒー生産国。大量生産国というイメージから、どうしてもひとつひとつ丁寧に取り組むのは難しいのかなと思っていましたが、衛生管理や設備、持続可能な取り組みまで細部にまで気を配り、プライドを持ってコーヒーづくりに向き合っていることが伝わってきました。

 

少数民族コホ族とともに取り組むコーヒーづくり

ランビアン農園でコーヒーを栽培しているのは古くからこの地に居住する少数民族コホ族。彼らの生活はこの地を代表する経済活動であるコーヒー栽培と切っても切り離せない関係にあります。そして現地のコホ族と共にコーヒー生産の品質を上げていくプロジェクトを立ち上げたのは日本人の山岡清威さん。


日本でコーヒー屋を開き経験を積んだのち、ランビアンを拠点として生産にも関わり始めた方なのですが、色々お話を伺っていると大抵の人がやろうとしないことをやっていたり、物事の考え方だったり、新たな道を切り開く人というのはこんな人なのだなと感じました。

今回はアラビカ種の農園だけでなく、ロブスタ種の農園も見学させていただいたのですが、ここでもこれまでのロブスタ種の味わい(苦味が強い)を覆すような味のファインロブスタの生産に力を入れていました。

 

手作業で行われる収穫・選別と精製の現場を体験して見えたこと

コーヒーは一斉に実るわけではないので、赤く熟したチェリーだけを選び、人の手で一粒ずつ収穫していく作業が続きます。

今回も参加者全員で収穫体験をさせていただきましたが、タイや台湾の時よりも本気の収穫体験!それぞれに袋を渡され1時間くらいかけて誰が一番多く収穫できるかの勝負。しかもただチェリーを採るのではなく、ちゃんと赤く熟したチェリーを採らなければいけません。
アラビカ種の農園はかなり傾斜面にコーヒーの木があり、足場が良くありません。そんな中で収穫するのは想像以上に体力を使いますが、実際に体験してみて日々の作業の大変さを実感しました。

収穫後は精製所にて、赤く熟したチェリーとまだ熟していないチェリーを選別。その後、ウォッシュドであれば果肉除去し水で洗浄していきます。
今回は最近コーヒー業界で流行っている発酵プロセスのアナエロビックウォッシュドの工程も詳しく説明していただきました。

収穫後のチェリーを酸素を遮断した密閉タンクで一定期間発酵させた後、果肉を除去。

発酵中に果肉から出てきた汁(モスト)に果肉除去したコーヒーの種をタンクに漬け込み再び一定期間発酵させたら乾燥させます。

果肉除去したコーヒーの種にモストと漬け込み発酵させることで、クリーンな味わいの中にも普通のウォッシュドより複雑なフレーバーが引き出されます。
個人的にはアナエロビックナチュラルよりも癖がないけど、普通のウォッシュドよりも個性があるので飲みやすくもあり、コーヒーの面白さを体験できるなぁと思いました。

また、今回精製プロセスの説明を聞く中で、美味しいコーヒーを作るためには精製処理過程で使う水がきれいであることがとても重要ということを知りました。
ランビアン農園ではチェリーを洗う時も、発酵させる時もきれいな浄水を使っていると仰っていました。

コーヒーを抽出するときにお水が大きく味に影響するのは知っていましたが、精製プロセスの段階においてもとても重要なんですね。

 

農園で聞いた、生産者たちの考え方

 

「美味しいから買ってほしい」という言葉

農園で印象に残ったのは山岡さんのこんな言葉でした。

生産者に貢献したいという理由で買うのではなく、「美味しいから」買ってほしい。

そのために生産者は味と品質の向上に徹底して向き合っていると言います。
「支援される存在」ではなく、一杯のコーヒーとして正当に評価されること。
それが、農園として目指している姿でした。

そして、今農園にいる幼い子供たちやこれから農園を担っていくだろう若い世代に、コーヒづくりの知識や技術をきちんと伝え、この農園を未来へと引き継いでいくこと。

単に収入を増やすことや世間の評価を得ることではなく、次の世代の暮らしが当たり前に続いていくこと。
それが山岡さんやコホ族の思い描くゴールでした。

 

生産地で知った味の前にあるストーリー

ロブスタ種の農園に伺った際にそこの代表のウックさんのこんなお話を聞く機会がありました。

コホ族はほんの50年前までは山奥で定住せず、移動しながら暮らしていたそうです。彼のお父さんが山から降りてきて生活し始めた第一世代で、ロブスタコーヒー農園を父から受け継ぎ、安値で売っていた収入の低い親族や近隣農家の所得改善を目指して高品質ロブスタの精製をスタート。
コーヒーの収穫だけでは収入が安定しないので、年間安定した収入を得るためドリアンやバナナ、唐辛子などを栽培し間作にも力を入れていました。

それだけでなく、このエリアの多くの農家さんは農薬や化学肥料を使うため病気になる人が多いそうです。ウックさんは循環型農業を積極的に取り入れて、農家さんたちの健康や生活を変えていきたいと仰っていました。

このお話を聞いて、コーヒーは私たち消費者にとっては日常の中で楽しむ「飲み物」ですが、作り手にとってはそれ以上に、暮らしそのものと密接につながった存在なのだと私は感じました。

 

農園を訪れ、現地で飲んで感じたベトナムコーヒーの印象

農園での作業を実際に見て体験し、生産者の話を聞き、その場所で淹れてもらったベトナムコーヒーを飲んで感じたのは、ベトナムコーヒーは「苦い」という一言では、とても語りきれない存在だということでした。

味の背景には、土地があり、人の手があり、続いていく暮らしがあります。
それを知った上で飲む一杯は、これまで持っていた印象を静かに、でも確かに塗り替えてくれました。

農園で飲んだベトナムコーヒーは、強い苦味を想像していた私の予想とは違い、香ばしさとやわらかな甘みが印象に残る味でした。

苦いという固定概念にとらわれ、まだ知らない味があるのだと気づかされた瞬間でした。

 

世界を旅するコーヒー試飲会<ベトナム編>のお知らせ

今回農園で体験したこと、見た景色、聞いた言葉、そして実際に感じた味。
それをそのまま伝えたいと思い、ベトナムコーヒーの試飲会を開催します!

試飲会では、

  • ベトナムコーヒー数種の飲み比べ

  • 農園でのエピソードの共有

  • 「苦い」だけではない味わいの解説

を通して、ベトナムコーヒーを味と背景の両方から体験してもらえる時間にしたいと思っています。

「ベトナムコーヒーは初めて」
「苦いイメージがあって避けてきた」
そんな方にこそ、ぜひ参加してほしい内容です。

📍 日時:1月24日(土)、1月31日(土)
📍 場所:新宿区赤城元町4−11 PEANUTS CLUB
📍最寄駅:東西線神楽坂駅徒歩5分
📍 参加方法:予約優先(インスタ、ストアカでご予約承ります)

 

まとめ|ベトナムコーヒーは「苦い」だけでは語れない

ベトナムコーヒーは、決して一面的な存在ではありませんでした。

品種や焙煎、飲まれ方によって「苦い」と言われてきた背景があり、その奥には生産者の考え方や土地とともに続いていく暮らしがあります。

農園を訪れたことで、ベトナムコーヒーは味だけで完結するものではなく、その背景や積み重ねまで含めて一杯になるのだと、改めて実感しました。

もしこの記事を読んで、ベトナムコーヒーに少しでも興味が湧いたなら、ぜひ一度、その一杯を体験してみてください。
きっと、これまでとは違うベトナムコーヒーに出会えるはずです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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